研究の概要

1. 研究の名称:開発途上国におけるフッ化物配合歯磨剤の流通の実態調査
 [国際医療福祉大学の倫理審査委員会の承認を受けて実施: 承認番号22-Im-043]

2. 研究者 (3名)
研究者代表者:笹山 桐子 (国際医療福祉大学 成田看護学部看護学科)
研究者:桃井 保子 (ACFF 日本部会監事、鶴見大学 名誉教授)
研究者:大田 えりか (聖路加国際大学院国際看護学国際看護学教授)

3. 研究の目的と意義
う蝕の予防や進行抑制にフッ化物が有効であること、また安全であることは、半世紀以上にわたる多くの研究が明らかにしてきた。このエビデンスの集積に基づき、WHO (世界保健機関) は2021年に、フッ化物を1,000-1,500 ppm 配合した歯磨剤は、人々が健康な生活を送るのに必須の医薬品であると認定した。先進諸国においては、ほとんどの歯磨剤に有効濃度のフッ化物が配合され、人々は日常のセルフケアでフッ化物のう蝕予防・進行抑制効果の恩恵にあずかっている。しかし、開発途上国すなわち低所得国では、歯磨剤の原材料、調達、製造、管理、販売などサプライチェーンに多くの問題を抱えている。そこで、本調査研究では、発展途上国の首都や商都において、一般の人々に普及している歯磨剤の製品を調べ、これらに有効濃度のフッ化物が配合されているか否か実態を調査する。続いて、フッ化物配合歯磨剤の価格について、人々の所得との比較値を算出し、その価格が一般の人々が難なく購買できる妥当なものか否かを分析・考察する。本調査の結果は、開発途上国 (低所得国) に住む人々の口腔保健衛生の向上、SDGsにおける目標3の「すべての人に健康と福祉を」や目標10「人や国の不平等をなくそう」に取り組むWHOのAction Plan (2023-2030) のうち、とくにう蝕罹患の低減を掲げるAction 26に有益な支援データとなる。

4. 研究の方法と期間
研究方法は、質問紙調査。研究期間は2023年以内。

5. 結果は、ACFF をはじめとする諸学会での発表、また学術術誌への論文掲載とする。

*なお、研究の詳細については、ACFF 事務局へお問い合わせ下さい。